シングルモルト生産地の中で、アイラ島は偉大な地域で、現在も8つの蒸留所が操業をしています。
そしてその中でも真っ先に名前が挙がるのが「ラガヴーリン」アイラモルトの決定版といえます。
今回はアイラモルトの巨人と称賛され、比較的色々なお店で並べられているラガヴーリン16年について人気の味わい、特徴や口コミなどをご紹介します。
ラガヴーリン蒸留所
1816年創業。ラガヴーリンとはゲール語で「水車小屋のある窪地」のこと。アイラ島の玄関口、ポートエレン港から海岸沿いに東に行った所に立つ。ラガヴーリン湾に面した絵画のように美しい蒸留所。
ラガヴーリン蒸留所の歴史
1742年ごろ、スコットランドのアイラ島、ラガヴーリン湾には、約10もの違法蒸留所が存在していました。
1816年に地元の農業経営者で蒸留職人でもあったジョン・ジョンストンがかつての島々の王が根城としていたダニヴェイグ白を望む場所に最初の合法な蒸留所を作りました。
一年後にアーチボルド・キャンベルが二つ目の蒸留所を作りました。この蒸留所のシングルモルトはその後、アードモアという名で市場に出回わる。
ジョンストンはグラスゴーを本拠とするアイラモルト商人で、アレクサンダー・グラハムに債務を負っていましたが、
ジョンストンの死後、ラガヴーリンを当時としてはかなりの金額であった£1,103 9シリング 8ペンスでグラハムが買収し、二つの蒸留所を統合させました。
グラハムは蒸留所を改修し、彼の後を継いだJames Logan Mackie & Co.社は成功を納め、ラガヴーリンは強力な存在となりました。所有者となったピーター・マッキーは、ブレンデッドスコッチ、「ホワイトホース」を世に送り出し、ウイスキー業界では大変有名な存在となる。ラガヴーリンはホワイトホースの主要モルトとしても重要な役割を担っている。
ラガヴーリン蒸留所は、戦時中に麦芽が不足したことにより一時閉鎖を余儀なくされたり、1952年には爆発が起こり、多大な被害を出しましたが、その都度復興し、2016年についに創業から200年を迎える。
ラガヴーリンの製造
ラガヴーリン蒸留所では1974年以降フロアモルティングは行われておらず、近くのポートエレンでモルティングされたモルトを使用している。
ラガヴーリンの蒸留器はタマネギ型のストレートヘッドを使用。仕込水には蒸留所背後の丘のソラン湖の良質な湧水を使用し、水自体には豊富なピートを感じられる。
アイラ島の泥炭(ピート)は海藻を豊富に含んでいるため、麦芽には潮の香りや海藻の風味(ヨード臭)が残ります。それらが、ラガヴーリン独特の強烈な個性の源になっています。
ラガヴーリン蒸留所の貯蔵庫
舌触りをまろやかにし、味わいにリッチさを加えてラガヴーリンへと熟成させるには16年の歳月が必要となる。
ラガヴーリン蒸留所には、伝統的な土床の3つの蒸留所があり、蒸留酒はオーク材の樽で熟成されます。
ラガヴーリン16年 味わいと口コミ評判は!?
スモーキーさだけではなく、ドライさも併せ持ち、そのドライさがラガヴーリンを本当に魅力的な一杯にしている。
ラガヴーリンはオークカスクの中で最低でも16年熟成され、情熱的でスモーキーな甘みを感じさせるシングルモルト。海藻の香味と広大なフィニッシュを併せ持っているのが特長的。
実際に飲まれた方達の口コミ評判をご紹介します。
もう10年くらい愛飲してます
・塩辛さが少々強いですが、広がる香りと滑らかさは最高です。アイラを中心にいろいろ楽しんでいますが、これを外す訳にはいきません。
ラガヴーリンが最高
・アイラの中では1番好き!ボウモアでは物足りない、ラフロイグより旨い、アードベッグより円やか、カリラやキルホーマンより芳醇・・・そんなラガヴーリンが最高。
これは確かにモルト初心者お断り
・まったりと過ごしたい夜にストレートをちびちびいきたくなるおいしいスコッチです。
好みが分かれるが、個人的にはとても飲みやすい
・重厚なボディ、ピート香。 ストレート、ロック、ちょい加水、どのような飲み方でも美味しいです。
かなり癖のあるスコッチ
・正露丸の香りとよく言われますが、確かに臭いは多少感じますが、やはり16年物の実力は凄い!、深みのある風味とウィスキーの力強さ…、美味しいです!
ラガヴーリン16年まとめ
強烈な個性を持つアイラモルトの中でも特に個性的なラガヴーリン16年。
アイラモルトの中でも、ラガヴーリンは特に「二度と飲まない」という方と「この旨さは忘れられない格別」と感じる方にはっきりと分かれます。
パワフルでエレガントな味わいはモルト入門者にはあまりお薦めできませんが、モルトを飲み続けると必ずラガヴーリンに行きつくと言われます。